日本カストディ銀行(CBJ)、日本マスタートラスト信託銀行(MTBJ)ってなに???

資産運用をしていて株式に投資している人は多いと思いますが、そういった方々は四季報などの大株主欄によくいるこの銀行なに?と思った方はいるのではないでしょうか。

 

・大手企業などの株主にはほとんどいるけどなに・・?

・聞いたこともないし、なんかカタカナも入ってるし外資の企業・・?

三菱UFJ、三井住友、みずほなんかのメガバンクは知ってるけど初めて聞いた
という人も多いと思うので自分の知ってる範囲で書いてみました。

 

 

 

何をしている?行っている業務とは?

まず最初によく言われますが、これらの会社は外資じゃありません。

 

両行のホームページにも記載されてますが、資産管理業務を中心に行っています。
資産管理業務ってなに??ってなると思いますが、機関投資家である◯◯企業年金基金といった年金基金公的年金(GPIF、KKR、地共連、私学共済など)、投資信託などの資産運用を支援する業務を行っています。

(殆どの人は意識しませんが国民の年金や投信の資産管理をしており関わりが全くない銀行というわけではないです。)

 

ネットで調べると具体的に有価証券の保管や残高管理などと出てきますが、株や債券の運用を行なっていると膨大な事務作業が発生します。
(配当金の受けとりや税金の計算、運用成績の定期的な還元など)
個人投資家なら、証券会社のホームページを見て残高を確認したり、配当金が入金されても電子書面などでふ~んと見とけば終わりでいいかもしれません。


けれど機関投資家だとどうでしょうか?

機関投資家が運用しているお金は一部自社のお金はあれど殆どが誰かから運用を委託されてるお金です。

そうすると当然お金がちゃんと管理されているか確認や報告をする必要があります。

また投資金額やアセットも幅広いですし法律で報告しないといけない事項があったりします。GPIFなどは特に年金を運用してるため、かなり厳密に管理する必要があります。
そのため、こういった事務作業を委託する会社としてこれら資産管理銀行があります。

企業年金公的年金などは、具体的な運用を基本的に運用会社に一任しています。(ファンドの契約によって変わる。)

運用会社も運用成績は当然わかってますが、第三者である資産管理銀行がお金を管理することで不正を防ぐ狙いもあります。

意外な業務

また意外なものとして、株主優待の管理や貸株市場にも貢献したりしています。

株主優待
街中にある株主優待ショップなどに大量の優待があると思いますが、あれは機関投資家から提供されてるものもあります。
個人投資家には優待を目的に株を保有してる人も多いと思いますが、機関投資家にだって株主優待が当然届きます。
機関投資家の場合、例えば年金基金とかだと自分たちでお金を出したわけではなく厳密には国民や社員のお金です。

個人なら自分の資金なので好きにすればいいですが、例えば年金基金の職員が受け取って全部使おう!なんてのは基本できません。
なのでこういった株主優待のショップに換金して換金した分は運用資産に組み込む、または寄附する、小規模組織なら社員に還元するなどといったことをしているようです。

 

■貸株
またよく言われる空売り機関の株がこの資産管理銀行を通じて提供されたりします。

株をもうしばらく売るつもりないみたいな機関投資家からすると何年もずっと保有してるだけでなく貸株に出して貸株料をもらった方がいいケースもあります。
なので資産管理銀行を通じて証券会社に貸株に出されその株が空売りに使われたりします。

機関投資家からみたメリット

まず日次や月次で実施しないといけない膨大な事務作業から解放されます。
また資産を安定的に運用できるメリットもあります。

○○企業年金基金の名義で株式を保有すると、どの株式を保有しているかが公開されてしまいます。年金などは安定的に運用されないといけないですし、自分達の保有している銘柄等が公開されてしまうと意図しない売買が大量に発生して資産が一気に減るなどといったことにならないとも限りません。

四季報など見てるとわかると思いますがGPIFが大株主に乗ってる銘柄なんてないですよね。

 


無茶苦茶長くなっちゃいましたが、資産管理銀行のもう少し詳しい話や海外の事情なんかも絡めた話を次を記載しようと思います。